トマトの香りとやさしい生地──子どもと楽しむ、無添加パンのある暮らし
レシピ提案:無添加パンのトマト煮込み風トースト
まずは、さっそくレシピの話から始めさせてください。今日ご紹介したいのは、無添加パンを使った「トマト煮込み風トースト」。冷蔵庫に余りがちなトマト缶と野菜を一緒に煮込んで、パンの上でじゅわっと染み込ませていただくスタイルです。
作り方は簡単。フライパンでオリーブオイルを温め、みじん切りにした玉ねぎとニンジン、ベーコンやお好みの具材を炒め、トマト缶を加えてコトコト煮込むだけ。味つけはシンプルに塩とこしょう、仕上げにハーブを散らしても香りが引き立ちます。あとは適度に水分をとばし、無添加パンの上にのせてチーズをふりかけトースターへ。チーズが軽く溶ける程度に焼いたら完成です。小腹がすいたときの軽食や、子どものおやつにもぴったりでしょう。もちろん、忙しい朝にも◎。このトマト煮込みと無添加パンの組み合わせが、じんわりと心まで温めてくれます。
無添加パンの魅力
さて、改めまして。僕は、かれこれ十数年、キッチンと食卓のあいだを行ったり来たりしながら、「より美味しいものはないか」「安心できる食材はどれだろう」と探求を続けている料理研究家です。
最近、僕の中で密かなマイブームになっているのが、この“無添加パン”。そう、添加物を極力使わず、素材本来の味と香りを大切にしたパンです。僕はプロの料理人ではあるものの、実は結構「パンにはうるさい人間」。毎朝焼きたてを求めてパン屋を巡っていた時期もあれば、自宅で酵母を育ててパンを焼き続けたこともありました。でも、忙しい日々のなかでは、いつも手作りできるわけじゃない。そんなときに通販で手軽に買える無添加パンを見つけたときは、ほんとに嬉しかったんです。
美味しさは賞味期限に宿る?
無添加パンは保存料を使わないことが多いから、賞味期限が短いのが特徴です。最初は「すぐに食べきれないかも」と心配でしたが、逆にそれが“いい目印”でもあると気づきました。作り手が「新鮮なうちに食べてね」というサインを出しているわけですから。通販サイトでは、冷凍保存や個別包装などの工夫で、おいしさをなるべく長くキープしてくれています。届いたらすぐに小分けして冷凍しておくと、食べたいときに必要な分だけ出して解凍できる。だから、賞味期限の短さがむしろ「こまめに新鮮を味わう」楽しみに変わったわけですね。
子どもと一緒に作るレシピの楽しさ
僕が無添加パンをおすすめする理由のひとつに、「子どもが安心して食べられる」ことがあります。最近は食物アレルギーに配慮する家庭も多いし、できるだけ自然なものを食べさせたいという声も耳にします。実際、僕の甥っ子も小麦粉に軽いアレルギーがあって、おいしいパンが食べられなくて悲しそうな顔をしていたことがありました。でも、無添加のパンを選んだり、アレルギー対応の粉を使ったりすることで、彼もみんなと同じ食卓を楽しめるようになったんです。
そして、先ほどお話ししたトマト煮込み風トーストのように、子どもが喜ぶ味つけでレシピをアレンジすると、家族の食卓がぐんと明るくなります。小学生でも簡単に手伝える工程が多いので、休日に「一緒に作ってみようか?」なんて声をかけると、キッチンに楽しそうな笑い声が広がりますよ。
通販で広がる“おいしい”の発見
「パンは近所のベーカリーで買う派」という方も多いでしょう。でも、いざ通販の世界をのぞいてみると、驚くほどバラエティ豊かな無添加パンがそろっています。店頭じゃ手に入らない厳選素材のものや、子ども向けに甘さ控えめのもの、高級感あふれる大人向けのブレッドなど、選びきれないほど。スマホを片手に画面をスクロールしていると、「あれもいいな、これも食べてみたい」と、まるで宝探しのようにワクワクしてしまうんです。
しかも、届くのを待つ時間も、なんだか楽しい。宅配便が届くたびに、新しいパンの香りと物語が我が家のキッチンを満たしてくれる。作り手の想いを感じながらパッケージを開ければ、「こんなところに穴が!」とか、「この焼き色がたまらない!」なんて、小さな発見もあったりして。そういう一つ一つが、料理研究家としても刺激になり、メニューの新しいアイデアを生んでくれるんです。
小さな幸せを積み重ねる“パン生活”
無添加パンがあるだけで、食卓の雰囲気は不思議とやさしくなります。柔らかな甘みが口の中にじんわりと広がり、素朴なのにしっかりと美味しい。子どもも大人も同じ喜びを感じられるのが、僕は何よりも嬉しいのです。たとえば朝食のひととき。いつもは時間に追われる平日の朝でも、ふとそのパンを頬張っただけで「ああ、今日も一日がんばろう」という気になれる。そんなふうに、ちょっとした幸せを拾い集めるような暮らし方が、案外いちばん贅沢なのかもしれません。
ここまで読んで「ちょっと試してみたいかも」と思っていただけたなら、ぜひ思いきって“無添加パン通販デビュー”してみてください。賞味期限の短さが気になるようなら、先にご紹介したように冷凍ストックで乗り切れますし、使い切りサイズのミニパンを扱っているお店もあります。子どもと楽しむレシピのレパートリーも自然と増えるはずです。
僕自身、まだまだ食の探求を続ける身ですが、「美味しいこと、安心できること」は、家族や仲間をつなぐ魔法だと信じています。無添加パンと過ごす朝は、きっとみなさんの暮らしを、ほんの少しだけ明るく、あたたかく彩ってくれるでしょう。もしも迷ったら、まずはトマト煮込み風トーストから。きっとあなたのキッチンに、豊かな香りと笑顔が広がりますよ。