無添加パン”のあるちょっと特別な朝
朝日が差し込むキッチンで、ふとテーブルの上に目をやると、かわいらしい袋に包まれた「無添加パン」が目に入る。実は最近、お取り寄せで手に入れた全粒粉100％のパンだ。パン好きの私には嬉しい限りで、思わず袋を開けるたびに心が弾む。なぜこんなにもテンションが上がるのか――。それはきっと、無添加という響きと、厳選された全粒粉が醸し出す“本物”らしさが理由なのだと思う。
昔から、「パンは焼きたてがいちばん美味しい」とよく言われてきた。たしかに、香ばしい香りがふわりと漂う焼きたての瞬間は格別だ。でも、日常生活を送るうえで、毎朝必ず焼きたてを手にするのは難しい。仕事や家事に追われる日は、通勤前や子どもの支度をする合間にサッと食卓を整えるだけで精一杯。それでも「美味しいパンを食べたい」という気持ちは、パン好きな主婦や健康志向の社会人女性には切実だろう。
そこで注目したいのが、“お取り寄せ”の無添加パン。インターネットで気軽に注文できるので、忙しい日々でも無理なく楽しめる。あるとき、友人がSNSにアップしていた全粒粉100％パンの写真を見て、「これは美味しそう！」とひと目ぼれしたのが、私のお取り寄せデビューの始まりだった。実際に届いたパンを開封した瞬間、小麦の香りが包み込んでくれて、「こんなに自然な香りがあるんだ！」と驚いたのを今でも覚えている。
全粒粉の魅力と“日持ち”の関係
全粒粉は、通常の小麦粉と比べて粒の外側（ふすま）や胚芽まで丸ごと挽き込んでいるからこそ、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富だといわれている。その香りやコクは一度味わうとクセになるほどで、食感にも独特の歯ごたえがある。そのため、食べごたえがしっかりとしていて満足度が高い。朝食やおやつとしてはもちろん、軽いランチにも重宝する。
しかし、無添加パンの大きな特徴は、保存料などの添加物を使っていないぶん、どうしても日持ちが短いこと。届いた時点ですでに消費期限が数日しかないということも珍しくない。最初は「冷凍保存しても美味しさが損なわれないのかな？」と不安になるかもしれないが、最近は冷凍技術が進歩しており、パン屋さん自身も「自宅での冷凍保存」を想定して商品化している場合が多い。
たとえば、届いたパンを切り分けて1回分ずつラップでぴったり包み、冷凍庫へ。食べる前夜に冷蔵庫へ移しておけば、翌朝には解凍され、トースターで焼くだけで外はカリッ、中はふんわりもちもち。全粒粉の香ばしさは、加熱するほどに際立つので、朝から幸せな気分に浸ることができる。ひと手間かかると思いきや、実はこの下準備をしておくと、忙しい日こそ助かるのだ。
“美味しい”をもっと活かすレシピアイデア
無添加の全粒粉パンは、そのまま食べても十分に美味しい。だが、ちょっとだけアレンジを加えると、さらに多彩な楽しみ方が広がる。忙しくても簡単にできるレシピをいくつか紹介したい。
1. はちみつヨーグルトトースト
ヨーグルトとはちみつを混ぜあわせ、トーストしたパンにたっぷり塗る。全粒粉の香ばしさと、はちみつの優しい甘みの組み合わせは絶品。子どものおやつにもおすすめで、ちょっとしたスイーツ気分を味わえる。
2. アボカドとチキンのオープンサンド
アボカドをつぶして塩・こしょうで味付けしたペーストをパンに塗り、サラダチキンや野菜をのせる。全粒粉のパンは噛み応えがあるので、アボカドのクリーミーさとチキンのタンパク質を組み合わせると、バランスよく満腹感が得られる。
3. ピザ風トースト
市販のトマトソースを塗ってチーズをのせ、軽く焼くだけ。あればフレッシュトマトやバジルを散らすと、まるでカフェのメニューのようにおしゃれに。こちらは子どもウケが抜群で、野菜を増やして栄養面を強化することもできる。
いずれも手間がかからないのに、全粒粉と無添加の素朴な味わいを存分に楽しめるのがポイント。何よりも、家族の健康を考えながら「美味しい」も実現できる点が嬉しい。
お取り寄せだからこそ手に入る贅沢
“パンを買う”という行為は、一見すると平凡な日常のひとこまに思える。でも、無添加パンとの出会いは、忙しい朝にちょっとした感動をもたらしてくれる。封を切った瞬間に立ち昇る全粒粉の香り、軽く焼いたときのパリッとした音、そして口に広がる素朴で深い味わい。そんな一連のプロセスを味わうだけで、「今日も頑張ろう」という気持ちが湧いてくる。
もちろん、日持ちの問題はあるが、それこそが逆に鮮度を重視する姿勢でもある。早めに食べきれないぶんは冷凍でストックしておけば、頑張った自分へのちょっとした“ごほうび”になる。子どもに「今日の朝ごはんは特別だよ」と声をかければ、いつもの朝食がワクワク感のあるひとときに変わる。身体に良くて美味しいパンは、家族にも喜ばれる要素がたくさん詰まっているのだ。
